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2019.01.01

ギターを全面に出すのではなく 音楽そのものの可能性を追求した 田川伸治ワールドを体感してください 【田川伸治】

 

 

M3!アーティストインタビュー

田川伸治(Tagawa Shinji)

pop  広島出身

 

 

「巨匠」と呼ばれる実力派ギタリストに会うのだから…と、それなりの心構えでいた。ところが、少年時代や家族のこと、音楽観などをユーモアたっぷりに語る姿は「巨匠」のイメージとは程遠く親しみやすい。与えられたものにふさわしい音楽を創りたい、という相手ありきのスタンスも意外だった。同時に「裏付けられたものがなければ、長くは続かない」という言葉には、やはり「巨匠」らしさも。アルバムのコンセプト通り多様性が魅力の田川さんに、ここまでの道のりと現在、そしてこれからをお伺いした。

 

ギターとの出会いと少年時代

 

- ギターを始めたきっかけは?

 中学時代、ファミコンを買うために貯めていたお金が目標額に達したタイミングが、ちょうどハードロックとフォークの全盛期でした。全員が花形のギタリスト志望で、全然バンドが結成できない時代です(笑)。

 当時通っていた中学に、ちょっと噂になるくらいギターが上手い「市川くん」という同級生がいました。その市川くんの家に放課後集まると、爆音でエディ・ヴァン・ヘイレンのレコードをかけながら、そっくりに弾いて見せてくれる。ドラえもんのジャイアン・リサイタルさながら数日おきに開催されていました(笑)。みんなで「おおお、すげー。次はあれ弾いて!」なんて言いながら夢中になっていましたね。

 

 

ー 憧れたのが身近な同級生とは驚きです。

 彼の影響で雑誌『ヤング・ギター』も買いました。すると通信販売のページが目に飛び込んできて、そこにちょうど貯めたお金で買えるかっこいいエレキギターが載っていたんです。田舎だったので、近所に楽器屋などなく、購入手段といえば通販のみ。盛り上がった勢いで迷わずファミコンのお金をそっちにつぎ込みました。それが僕の最初のギターです。ミラーのピックガードつき黒いストラトキャスターだったんですが、僕は素朴に「かっちょええのう(広島弁)」と選びました。届いてすぐに市川くんに見せたら「ゲイリー・モデルじゃん」と。その頃大ヒットしていたアルバム封入のブロマイドで、彼が抱えているモデルでした。それがきっかけで、その後ゲイリーにもどハマりして。

 もともとは「歌い手さん」が好きで音楽を聴いていて、菊池桃子さんやシブがき隊や少年隊などの、いわゆる水泳大会に出るようなアイドルが大好きでした。吉川晃司さんのレコードも買いました。兄の影響で佐野元春さんや浜田省吾さんなども聴いていましたが、市川くんに出会うまでは、とにかく楽器には全然興味がなかったんです。

 

 

ー 市川くん以降ギタリスト人生が始まったんですね!

 僕はその頃、一曲最後まで弾ける曲がなく、市川くんみたいなリサイタルを開けなかった。そりゃあ開催が夢でしたけど(笑)。でも実はそこに僕が一度もギターを辞めず続けてこられた理由があります。ギターに憧れて始める人は、「絶対にこの曲を弾きたい!」という曲が必ずあるじゃないですか。でも「これ弾けるようにならないと始めた意味がない」みたいな発想は自分を苦しめるだけ。いつもできない箇所で挫折しちゃいますからね。例えばイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」なら、あのイントロさえ弾ければ良しとする。いい意味で飽きっぽく、次から次へと背伸びせずに題材を変えていくほうが長続きします。デパ地下の試食のように、美味しいところだけつまみ食いする感覚ね! 僕が最初にやった曲はアルフィーの『星空のディスタンス』だったけど、あの特徴的なイントロが弾けたら満足して次の曲に移りました。部活でギターを弾く時間が限られていたこともあり、つまみ食い練習法が板についたともいえます。

 

 

ー ギター以外はどんな高校時代でしたか?

中学から卓球を続けていました。でも高校に入ってすぐ卓球部が廃部になりまして。そのお陰と言ってはなんですが、放課後を好きに使えるようになって。ギター仲間も大勢できて情報交換していました。Youtubeなどない時代ですから「チョーキングは2~3本指をまとめた状態で弦を持ち上げると指が痛くならない」とか「ドアノブを回すようにやると簡単にビブラートできるんだよ」と、みんなで想像力を働かせながら一緒に技を身につけていきました。その過程が楽しかったです。

 

 中学時代は「全員ギタリスト志望」ゆえにバンドが組めなかったので、とにかくバンドがやりたかった。その欲求が高校に入った瞬間に炸裂。でも今度はBOOWY全盛期で、ボーカリストはそれしか歌えない(笑)。だから必死に練習しましたね。あちこちのバンドを掛け持ちしていたので、バンドごとにいろんな曲が弾けないといけなかった。それでもやれるだけで楽しかったです。街の楽器屋がミュージシャン紹介所みたいな存在で、全員違う高校のメンバーでバンド結成したこともあり、駅伝でいう学生連合チームみたいでした(笑)。最終的にはそこで知り合った社会人と組みました。その頃に教えてもらったことが、技術重視で、スポーツのように取り組んでいたギターから、味のある、音にこだわるギターへと変化したきっかけになりました。

 

 

ー その後は迷いや障害もなく音楽の道に?

 いえいえ、公務員の父親には「高校に入ったら大学進学もあるからギターは辞めなさい。」と言われていて、当然ギタリストになることには大反対でした。でも高校2年の頃にコンテストで良い成績を収めると調子に乗り、父を説得して上京しました。とはいえギタリストになった一番のきっかけは、卓球部が廃部になったことかも(笑)。そうじゃなかったら、あそこまでギターにのめり込まなかったはずです。小さい頃からガンプラ(ガンダムのプラモデル)作りが大好きで、図工や技術の成績で5以外なんて、ありえなかった。もしギタリストにならなければ、ギターを作る職人になっていたかもしれませんね。

 

 

12/19発売 最新アルバム『Singer』について

 

ー コンセプトを教えてください。

 ギターという狭い世界だけでなく、より多くの人たちに届けたかったのと、大好きなJ-POPへの感謝と恩返しの気持ちも込めて、歌モノで勝負したいと思いました。そして素晴らしいシンガーたちと出会い、一緒に曲を作るうちに良い曲がたくさんできて、シングルではなくアルバムという形で出すことにしたんです。シンガーを選ぶ際のポイントは「色に染まっていない」ことでした。フレッシュであればプロデュースできる、つまり磨いていく作業ができるので。時間をかけて面談し、彼らから好きな音楽や言葉を聞き出して、僕が思う「彼らにふさわしい曲」をそれぞれに書きました。歌い手自身の想いが歌われるのが一番いいと思っているので、できる限り本人が書いた言葉を採用しています。DEENでは曲を先に作るスタイルでしたが、初めて言葉ありきで曲作りしました。

 

 

ー こだわった部分はどんなところですか?

ハーモニーワーク(和声)です。ほとんどの曲にコーラスが入りますし、声だけでなくストリングスやギターのコードワーク、繊細な音の響きの美しさにこだわりました。シンプルなメロディーなのにコードや進行は凝っていたりするので、その「田川ワールド」を感じて欲しいです。ギタリストだからギターを前に押し出さなければいけないわけではないし、僕は音楽全体を見ているタイプなので、今回はクリエイターとして勝負しています。僕自身は、この作品作りを通じて歌の素晴らしさを再認識できました。世の中には素晴らしい歌い手さんがまだまだいっぱいいるということが皆さんにも伝わると思います。

 

 

ー 今後の挑戦や読者へのメッセージをお願いします!

 大きな夢は映画音楽。今回のアルバムでも挑戦していますが、題材に対していかにフィットした音を作れるかに興味があります。求められるものに対して一番ふさわしい音作りができる人になりたい。あとはまだまだ自分の中にいろんなアイデアがあるので、それを早く実行したいです。もちろんライブは好きなので今後もずっとやります! これまでスタンディングが多かったので、今後はリラックスしながらおしゃべりして、お酒を飲みつつ観れるようなライブもいいですね。

 今回のアルバムは、これまでのキャリアがあるからこそ、ようやく「音楽が主役でありながら、ギターの立ち位置をしっかり考えて」作ることができました。僕が長年培ってきたものが発揮されているので、その辺が聴きどころです。DEENのファンにも喜んでもらえるような曲調もあれば、今までお見せすることがなかった田川伸治も。ぜひライブにも足を運んでいただき、僕の創る多様な世界を体感していただけたら嬉しいです。

 

(取材・文/花摘マリ)

 

 

Biography

1994:1月8日 DEEN加入。5thシングル「瞳そらさないで」でデビュー。

1997:オムニバスアルバム「Guitar Monster」収録曲「Mornin’ Joy」でソロデビュー。

2001:ソロ1stアルバム「A SURVIVED SCARECROW」をリリース。

2004:ソロ2ndアルバム「GLOBAL GROOVE」をリリース。

2006:THE SONIC TRICK 1st アルバム「SPARK」をリリース。

2018:3月10日 DEENがデビューから丁度25年経つこの日の東京 日本武道館

   公演を以て24年間在籍してきたDEENを脱退。

 

 

ホームページURL:http://shinjitagawa.com/

レーベル URL:http://bauerrecords.net/

 

 

 

本人からのメッセージ

「M3!」読者の皆さま、初めまして田川伸治です。

この度、自身4作目となるリーダー作が完成しました!

タイトルは『Singer 』。

その名の通り、若手シンガーを中心に9人を迎えつつ僕も2曲ほど本邦初披露で歌った、

歌物メインのフレッシュな作品となりました。

ぜひご一聴ください!

 

アルバム情報

 

田川伸治 Album『Singer』(BAUER RECORDS) 

発売日:2018年12月19日  品番:DLCR-18122

価格:[定価:¥2,963+税] ※¥3,200(税込)  収録数:12曲

 

01.Shinin’Girl ~遠くて近きはキミとの仲~

作詞/作曲:田川伸治

 

02.Color of Life feat.前田航志

作詞:前田航志/作曲:田川伸治

 

03.LOVE IS… feat.清水まなぶ

作詞:清水まなぶ/作曲:田川伸治

 

04.Secret Story feat.豊

作詞:豊・田川伸治/作曲:田川伸治

 

05.この道の終わりに feat.K.MAY

作詞:橋本佳明/作曲:田川伸治

 

06.抱える全ては feat.柚

作詞:柚/作曲:田川伸治

 

07.灰になって feat.水野マリナ

作詞:水野マリナ/作曲:田川伸治

 

08.Nothing to Lose <Instrumental >

作曲:田川伸治

 

09.咲き誇れ Right Now! feat.栁谷竜星

作詞:栁谷竜星・田川伸治/作曲:田川伸治

 

10.スワロウテイル feat.山﨑和也

作詞:山﨑和也/作曲:田川伸治

 

11.ごはんのうた for Princess Hime Suite<Version covered by myself>

作詞:田川伸治 & プリ姫ママ/作曲:田川伸治

 

12.Kickin’Back ~昨日よりもっと輝けるように~ feat.金岡優人

作詞:金岡優人/作曲:田川伸治

 

 

 

ライブ情報

 

4/6 sat

大阪 阿倍野ROCKTOWN

田川伸治 Live Tour 2019 ~Singer~

Open17:00  Start17:30

5,800円(税込)オールスタンディング

http://rocktown.jp/index.html

 

4/7 sun

名古屋 伏見Jammin’

田川伸治 Live Tour 2019 ~Singer~

Open17:00  Start17:30

5,800円(税込)オールスタンディング

http://jammin.l.c-o-a-l.jp/admin.usr/index.obj/

 

 

4/18 thu

新宿BLAZE

田川伸治 Live Tour 2019 ~Singer~

OPEN 18:15  START 19:00  

6,500円 (税込)  全席指定

03-5573-2299

http://www.supercast.jp/

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