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2018.07.15

M3! スペシャル・インタビュー「挫折せずに楽器を続けるコツはたったひとつ。好きなものを選ぶこと。口笛だっていいんですよ」【渡辺香津美】

 

渡辺香津美 (KAZUMI WATANABE)

 

「挫折せずに楽器を続けるコツはたったひとつ。好きなものを選ぶこと。口笛だっていいんですよ。身体を使って音を出すのは本当に楽しい体験だから。」

 

デビュー以来、45年以上にわたり国内外のミュージシャンから高い評価を受け続け、ジャズ通ならずともその名を知らぬ者はいないレジェンド的存在の渡辺さん。最近共演したという知人のギタリストいわく「1音の中に経験が詰まっている。円熟の極致」。

畏敬の念で待つと、現れたのは少年のように無邪気な笑顔を湛えた柔和な紳士でした。プライベートでは、奥様を気遣いオーガニックな食事をとり、免疫力や代謝を高めるといわれる「チベット体操」も続けているそう。人生を慈しみ愉しまれている姿が素敵でした。

 

ギターと出会った頃、抱えて寝ていたと伺いました。

 

タバコ屋だった実家ではお客さんからのリクエストもあって、ガムをカートンで仕入れていました。そのカートンについてくるクーポン券を集めると、色々な品物と交換できたんです。家族がそれぞれ順番に好きな物を選んで良いことになっていて、いつか僕の番が回ってきたらギターにしよう! と決めていました。当時は空前のエレキブームで、ベンチャーズの全盛期。僕も渋谷の映画館で加山雄三さんの映画を観ては憧れていましたからね。その頃家庭教師に来ていた叔父さんは、いつも大事そうに雑誌の付録の歌本とギターケースを持ち歩いていました。「絶対に開けるなよ」と釘を刺されていたけれど、たまにこっそり触った(笑)。そんな中、ついにクーポン券で手に入れたのが、僕の最初のアコギです。毎日朝から晩まで練習しているうちに、寝転がって腹の上で弾く奏法を開発。重力の関係で手が疲れず痛くもならないんです。寝るときも布団の中でそうやって練習しているうちに眠ってしまい、朝起きると顔に弦の跡がクッキリ! という顛末です。

 

高校時代すでにギターを教えていたそうですね。

 

ギタースクールに通っていましたが、先生が仕事で忙しくなり「そうだキミが教えてみないか。人に教えると勉強になるから。」なんて言われて。でも確かにその通りでした。毎回のレッスンカリキュラムの組み立ても大変で、高校の授業中に必死で構想を練っていて担任の先生に叱られたこともあります。現役プロも生徒さんの中にはいたので緊張しましたが、実はうまい人ほど教える必要がなく、先生と生徒という垣根なくセッションすることが、互いに良い刺激になったと思います。

 

順風満帆で華やかに見えるキャリアですが、 挫折を味わった時期もありますか。

 

もちろんあります。ただ「挫折」と思ったことはないかもしれません。1995年頃にプライベートで節目となる出来事があり、同時期にそれまで在籍していた事務所も辞めました。すると周りの人間関係もすっかり様変わりして、今のワイフと二人三脚でイチから再スタートせざるをえなかった。その頃からかな、仕事というのは好きなことだけを好きな人としなければ…・と思うようになったのは。

 

ギタリストになっていなかったら、何をしていたと思いますか? また今後やってみたいことはありますか?

 

ギターを弾かない人生を想像するのはちょっと難しいなあ(笑)。でも、総合芸術である映画には興味があります。音楽寄りの映画を作ってみたいとは思いますね。今後は、自分の演奏するギターを世界中の色々なジャンルの音楽家と共有してみたい。例えばオーケストラと一緒にオリジナルの組曲を…とかね!

 

最後にジャズ初心者へのアドバイスや読者へのメッセージを お願いします。

 

とにかくまず自分が音を出してみることです。いきなり難しい楽器に挑戦する必要はなく、毎日無理なく手に取れるような簡単な楽器でいいし、口笛だっていい。自分の体と指を使って音を出すって楽しいよ。もし何かジャズを聴いてみたいというのなら、ノラ・ジョーンズの『DAY BREAKS』(2016年)というアルバムが最近いいなと思った作品。僕が大きな影響を受けたウェス・モンゴメリーやハービー・ハンコックの作品も機会があれば聴いてみて下さい。

(取材・文 花摘マリ)

 

 

Artist profile

東京都渋谷出身。
名実ともに日本が世界に誇るトップ・ジャズ・ギタリスト。17歳で衝撃のアルバムデビュー。驚異の天才ギタリスト出現と騒がれて以来、常に最先端インストゥルメンタル・ミュージックを創造し第一線で活躍中。ジャズ界問わず世界中のレジェンドとの共演多数。

その速いテンポで繰り出される魅惑のアドリブと芳醇な旋律、演奏技術を緻密に組み合わせることで独自の<カズミサウンド>を創り出すことでも定評がある。
最新アルバムはストリングスとの共演「TOKYO WANDERER」(ワーナーミュージック・ジャパン)。

オフィシャルwebサイト:
www.kazumiwatanabe.net

 

ライブスケジュール

2018/7/15(日)
渡辺香津美 meets 村治佳織 vol.2
16:00開演 15:30開場
会場  東京文化会館小ホール (東京都台東区)
席種・料金 全席指定 6,000円
[出演] 渡辺香津美(ジャズ・ギタリスト) 村治佳織(クラシック・ギタリスト)
備考 ※未就学児入場不可
チケット:
■東京音協オンラインチケット
http://t-onkyo-web.pia.jp/top.ds ※PC/スマートフォン共通
お問い合わせ: 東京音協(TEL:03-5774-3030/平日11:00~17:00/土日祝休)

 

 

2018年8月2日(木)
44th Anniversary Special Live 渡辺香津美(G)
スタンダードを中心に井上陽介(b)、則竹裕之(ds)とのジャズギタートリオで
堪能するジャズ回帰トリオ!
会場 六本木サテンドール (東京都港区)
1st 開場 18:00 開演 19:30 / 2nd 開演 21:20
料金 一回3,800円、通し  ¥4,800円
出演:渡辺香津美(G) 井上陽介(B) 則竹裕之(Ds)
お問い合わせ 六本木サテンドール
TEL:03-3401-3080

 

 

2018 年8 月12 日(日)
Koko et Kaoli (ココエカオリ)
シリーズコンサートvol.3 『こどもの時間から始まる旅~ Mother Land』
16:00 開演 15:30 開場
出演:Koko et Kaoli ( 谷川公子/ P, 村治佳織/ G)
サウンドデザイン:渡辺香津美
会場:浦安音楽ホール・ハーモニーホール(JR 京葉線新浦安駅徒歩2 分)
料金:全席指定 前売3,800 円(税込)当日4,200 円(税込)
   全席指定 前売 ペア券7,000 円(税込)当日8,000 円(税込)*未就学児童不可
主催: ヒルトップスタジオ 【公演に関するお問い合わせ】 ticket@hilltop.co.jp

 

2018年9月9 日(日 )

NAGOYA JAZZ WEEK 2018 
渡辺香津美 X 田島貴男 
名古屋で開催されるナゴヤジャズウィーク第一回の最終日を飾るスペシャル企画。
オリジナル・ラブ田島貴男さんとの初共演!
出演者 渡辺香津美(g)田島貴男(vo,g) with ヤヒロトモヒロ(perc)  & 川村竜(b)
 開演時間 17:00 開場時間 16:00
会場 会場名: ReNY NAGOYA(愛知県名古屋市)
チケット料金 指定席:9,800円 後方スタンディング:7,800円 (税込)
チケット発売日 6月 30日(土)~
お問い合わせ CBCテレビ事業部 052-241-8118 (平日10:00~18:00)
主 催 CBCテレビ事業部
後援 名古屋市 名古屋市教育委員会

 

 

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